社長のお客様訪問記Vol.08　～愛媛・二宮様～〈前編〉

↑二宮様邸

「サンワカンパニーのカタログ。商品カタログというよりは読み物という感覚。」

山根：サンワカンパニーは、いつからご利用いただいていたのでしょうか。

二宮：10年以上前からだったと思います。当時店舗の設計をしていましたが、日本のメーカーでしっくりくるデザインの建材やパーツ等があまり無く、デザイン性の高いヨーロッパ製品は、日本製品の3～5倍くらいの価格でした。そんな中でサンワカンパニーを見つけて、すぐにデザイン性の高さに惹かれました。かなり格安だったので、本当に大丈夫なの…？と初めはかなり怪しんでいましたが（笑）。

山根：当時は創業者である先代社長が価格なども決定していました。正直に言うと価格戦略は特に無く、全て原価からの積み上げで販売価格を決めていました。競合の3分の1の価格になることもあったようです。価格戦略を立て、適正な価格で販売し、その資金で世の中にないものを開発するということをすれば、もっと成長が早かったのかもしれないとも思いますね。

↑二宮様

 

二宮：そうだったんですね。商品デザインの良さはもちろんですが、カタログも気に入ったポイントです。空間のイメージがつきやすく、設計者として使ってみたくなるような写真がたくさん使われていますよね。初めてタイルを使いたいと思ったのは、サンワカンパニーのカタログを見たときでした。商品カタログというよりは読み物という感覚で、いろんな想像を膨らませながら楽しく読んでいます。

↑サンワカンパニー社長　山根

 

山根：実は広告宣伝費の大部分をカタログ関連の費用が占めていることから、一時試験的にカタログを廃止にしたことがありました。するとガタっと売上が落ちたんです。やはりデジタル化の時代になっても、紙カタログは必要不可欠なコンテンツだということがよく分かりました。
こうしたこともあり、カタログにはかなり力をかけています。お客様に空間の想像を膨らませていただける内容にすることはもちろんですが、カタログそのものをインテリアとして空間に置いていただけるよう、装丁などにも気を配っています。
 

「家づくりでやってみたかったことを可能な限りやってみました。」

山根：二宮様は、基本的に店舗や展覧会といった商業施設の設計を手掛けられていますよね。仕事でサンワカンパニーをお使いいただいている方に、ご自宅でも使っていただけるというのは大変嬉しく感じます。ただ普段は住宅の設計をされているイメージはありませんが、今回ご自宅を建てられたのはどういった意図があったのでしょうか。

二宮：商業施設のデザインはクライアントの好みではなく、伝えたい情報やコンセプトに沿って考えることで「こうあるべき」というものが明確になりやすいのですが、住宅の場合は「こうあるべき」というものが、個人の好みに大きく左右されますし、個人が好きなように建てれば良いのではと考えていたので、積極的には手掛けていませんでした。でも友人たちが家づくりで苦労しているのを見たり、ホテルやマンションなど人々の衣食住の空間を手掛けるうちに、自分たちだったらどんな家を建てられるかということを考えるようになりました。
そこで、同世代の友人たちがハウスメーカーさんで建てたくらいの金額で、自分たちならどういう住宅を提案するのかという視点で住宅を建ててみることにしたんです。

山根：それはおもしろいですね！まずかなりお金がかかっているように見えるのに、そうではないということに驚きです。コストを抑えながらも、どのようにしてこれだけ心地良くてかっこ良い空間を作り上げられたのでしょうか？

二宮：初めはフルスペックで考えてみて、そこからこだわるべき部分と諦める部分で取捨選択していきました。またお金を掛ければ良いものができるという考え方ではなく、ちょっとした工夫やこだわりで、心地良い空間は作れます。だから家づくりでやってみたかったことを予算の範囲で可能な限りやってみました。

―つづく―

二宮様が家づくりでやってみたかったこととは？！後編では具体的にどんな工夫をされたのかを伺っています！